私の意見は偏っているかもしれないが、幕末の人物と言えば、やっぱり坂本龍馬だね! 以前、あるテレビ番組で一般人に調査が行われ、死生関係なく一番会ってみたいと思う人物は誰かという質問に対して、一位が小泉総理で、二位は坂本龍馬だった。そんなに昔の人物に「会いたい」人がたくさんいるなんて、私の母国イギリスでは聞いたことがないし、これは日本独特の現象ではないかと思う。龍馬がどれほど現代日本で人気者なのか、歴然としているだろう。
どこの本屋でも必ず、龍馬についての本がザーと並んでいる。もちろん、日本人に一番影響を与えたのは、司馬遼太郎が1966年に書いた『竜馬がゆく』(文春文庫)と言えるだろう。しかし、皆さんはご存知でしょうか? 司馬が実は、アメリカの学者マリウス・ジャンセンの『坂本龍馬と明治維新』(日本語訳:平尾道雄・浜田亀吉、時事通信社)という、1961年に出版された作品を参考にしたと言っていることを。ジャンセンの本が出る前には龍馬は殆ど知られていなかったと言うが、司馬の本が出版されてから、その人気は圧倒的に増え、以来、彼についての本が山ほど出るようになった。
しかし、日本でこれほど人気のある龍馬が、海外ではあまり知られていないのは、ジャンセンの本があまりに学問的なものだったからだろう。が、Romulus Hillsboroughの司馬スタイルの小説Ryoma Lifeofa Renaissance Samurai (Ridgeback Press)が、一九九九年に出版された。最近のハリウッド映画、『ラスト・サムライ』などの影響で日本の侍が注目されつつある中、日本の偉大な人物、龍馬はより知られ、人気になるかも知れない。
日本で、龍馬について最も詳しいと言われているのが平尾道雄であり、平尾編『坂本龍馬のすべて』(新人物往来社)では、彼をはじめとした龍馬や他の幕末の人物に詳しい学者たち、宮地佐一郎、池田敬正などが各章を執筆している。多くの方が気になるだろう龍馬暗殺事件についても、暗殺者と言われる今井信郎の子孫、今井幸彦が「龍馬裁判」などについて面白く語る。
もう一つ権威のある著作と言えば、池田敬正の『坂本竜馬』(中公新書)であろう。綺麗にまとめてあるし、龍馬情報の基本を知るためにいいし、学問的な本である。そして、元京都大学教授の飛鳥井雅道の『坂本龍馬』(講談社学術文庫)は、新たな面から龍馬の生涯を描く。個人的に興味深かったのは、龍馬が英語の勉強に使った手帳の内容まで紹介し、龍馬が英語で知りたがっていた単語のリストが載っていたこと(277〜278頁。中には、とんでもないものも…)。龍馬の面白そうな性格が、少し分かってくるような気がするかも。
龍馬のことなら何でも知りたいと思う方には、二冊の本を紹介したいと思う。一冊目は、これも新人物往来社編の『坂本龍馬大事典 コンパクト版』で、中井弘のように、龍馬関係では大した程ではない無名の人物まで紹介するところが面白くて、便利な本である。似たような感覚で、高野澄の『坂本龍馬 33年の生涯』(三修社)は辞典スタイルで、特に人物の写真が多いため、誰が誰なのかが簡単にわかるし、龍馬の短い生涯の様々な出来事の説明を明瞭に語っていることがこの本の長所である。
最後に、写真等で色とりどりの本をお勧めしたい。最近、NHKの大河ドラマのお陰で新撰組の観光ツアーが人気を博しているように、龍馬関係では一坂太郎の『龍馬を歩く』(山と渓谷社)というガイドブックがある。出身地の高知は言うまでもなく、東京、福井、神戸、京都、長崎、鹿児島等々、龍馬が歩いた様々な場所を丁寧に、宿泊ガイド付きで紹介し、本の後ろの方には読者が書き込めるように桂浜、寺田屋を含む「龍馬探訪20ヵ所思い出帖」まである、興味津々の本である。
龍馬についての面白い本は本当に沢山あるので、ここでは僅かな量しか紹介できなかった。でも一冊でも読めば、きっと龍馬の魅力的で立派な人柄に引きつけられるだろうと思うので、是非読んで見て、私と一緒に引きつけられて下さい!(投稿・恵莉)
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