環境レポート2004 京大生協 E-COOP

第三部、学習のページ  5.使用済み電池の行方


 時計、携帯電話、ノートパソコン、ポータブルMDプレーヤ……。身の回りには「電池」で動く電気製品がいくつもあります。私たちがいつも当たり前のように使っている電池ですが、その中にはマンガン、亜鉛、ニッケルをはじめ、希少金属と呼ばれるコバルトやリチウムなどがたくさん詰まっているのです。使用済みになった電池は、京大生協のリサイクルステーションなどで回収されてリサイクル業者に送られ、また新しい電池やその他の金属製品に生まれ変わります。ここではリサイクルで集められた電池の行方を探っていきます。

(1) 筒型乾電池

 おなじみの「マンガン乾電池」「アルカリ乾電池」や、最近登場した「オキシライド乾電池」、そして「使い切り型のリチウム電池」がこの分類で回収されています。また、見かけはボタン型ですが、CR2032のように型番が「CR」で始まる電池は「使い切り型のリチウム電池」に含まれており、この「筒型乾電池」として回収しているので注意が必要です。
 京大生協のリサイクルステーションで回収された電池は、京都駅から貨物列車で北海道北見市まで1,200kmも運ばれ、「野村興産イトムカ鉱業所」という乾電池リサイクル工場で再び資源として生まれ変わります。運び込まれた電池はまず600〜800℃に加熱され、中に含まれている水銀だけを蒸気にして分離し、水銀を回収します。回収された水銀の大部分は、電池ではなく蛍光灯などの原料として再び利用されます。日本国内で販売されている筒型電池は、1992年からすべて水銀不使用のものに変わっていますが、一部の外国製の電池や古い電池にはまだ水銀使用のものがあり、回収される電池の中にそれらが含まれています。
 次に水銀以外の鉄・亜鉛・マンガン・ニッケルなどをそれぞれ分離し、新しい電池の原料や磁気材料としてリサイクルします。ちなみに運搬に使ったドラム缶や段ボール箱も再利用・再資源化されて廃棄物を出さないようにしています。

(2) ボタン型電池

 電卓やミニゲーム機の電池としてよく使われているボタン電池は、「水銀の含有量が多く、ゴミとして捨てられない」「小さいので子供が飲み込むと危険」などの理由で以前から回収・リサイクルが積極的に行われていました。現在では水銀を使わない「アルカリボタン電池」(型番がLRで始まり、アルカリ乾電池と形状のみが異なるもの)が普及していますが、もう一つの主流である「酸化銀電池」(型番がSRで始まるもの)には銀などの貴重な資源が多く含まれるのであわせてリサイクルが推進されています。
 ボタン型電池は、生協などの販売店から電池メーカーに送られ、種類ごとに分けられます。その中で酸化銀電池については処理業者によって銀が回収され、それ以外のアルカリボタン電池と空気亜鉛電池については筒型乾電池と同じようにリサイクル工場に送られて鉄・亜鉛・マンガン・ニッケルがリサイクルされます。

(3) 小型蓄電池(充電式電池)

 携帯電話やデジタルカメラ、ノートパソコンなどの電池として最近普及が急速に進んでいるのが、何度も充電して再使用ができる「小型蓄電池」です。蓄電池にはニッケルカドミウム(通称ニッカド)、ニッケル水素、リチウムイオンなどの種類があります。特にニッケル水素電池は、乾電池と同じサイズで充電ができるため、デジタルカメラなどの電池としてポピュラーになっています。しかし、どの蓄電池も充電・放電を繰り返すうちに電池が少しずつ劣化して使える容量が減っていくので、寿命が来たら新しい蓄電池に交換する必要があります。
 蓄電池にはニッケル、コバルト、リチウム、カドミウム、鉛などの金属資源が多く含まれているため、これらについてもリサイクルが推進されています。外装シールに印刷されているリサイクルマークは、蓄電池の種類ごとに色分けされていて、ニッカドは黄緑、ニッケル水素はオレンジ、リチウムイオンは青、密閉型鉛蓄電池は灰色になっています。特にニッカドと密閉型鉛蓄電池には人体に有害なカドミウムや鉛が含まれているので、必ずリサイクルに出すようお願いします。
 生協のリサイクルステーションで回収された蓄電池は、ボタン電池と同様に電池メーカーに送られ、種類ごとに分けられます。その後、貨物列車やコンテナ船を使って福島県いわき市にある東邦亜鉛小名浜精錬所というリサイクル工場に運ばれ、筒型・ボタン型の乾電池と同じように加熱処理を施すことによって金属はそれぞれ分離されて新しい電池の原料として再利用されます。

 京大生協ではリサイクルステーションの設置前から積極的に電池の回収とリサイクルを進めており、京大生協が行ったアンケート(学生生活実態調査)では他生協に比べ組合員への認知度もずば抜けて高くなっています。私たちが今使っている電池の中にも、京大で回収された電池を原料の一部として新しい電池に生まれ変わったものがあるかもしれません。使えなくなった電池は必ずリサイクルに出しましょう。

参考ホームページ:
社団法人電池工業会 http://www.baj.or.jp/
野村興産株式会社 http://www.nomurakohsan.co.jp/
東邦亜鉛株式会社 http://www.toho-zinc.co.jp/


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