環境レポート2004 京大生協 E-COOP

第三部、学習のページ  1.京都議定書


 2005年2月16日、京都議定書が発効しました。そこで、京都議定書の概要と問題点、そして具体的な対策について考えてみましょう。

(1) 京都議定書の概要

 京都議定書は、大気中の温室効果ガスの濃度を安定させることを目的として1994年の「気候変動枠組条約」に基づいて作られたものです。その目的を達成するために採択された議定書であり、一番の特徴は、「批准した先進国等に温室効果ガスを1990年比で、2008年〜2012年に一定数値(日本6%、アメリカ合衆国7%、EU8%)を削減することを義務付けている」ということです。下の図表をご覧下さい。


 これは、温室効果ガスの中でも、最も温室効果への寄与が大きい二酸化炭素の排出量を国別に比較したグラフです。これを見ると、アメリカ合衆国がずば抜けて多く排出していること、日本やロシアは一人当たりの排出量が多いこと、中国やインドは人口が多いため、一人当たりの排出量は多くないが、大量に二酸化炭素を排出していることなどがわかります。
 このような国ごとの差異を考慮して、国や地域ごとに異なる削減目標が設定してあるのです。例外的に、排出量が増えることが許容されている国もあります。

(2) 問題点

 さて、この議定書にはどのような欠陥があるのでしょうか。また、削減への取り組みに足りない部分はないのでしょうか。以下のことが欠陥として考えられます。

(1) 最大の排出国であるアメリカ合衆国が批准しなかったこと。
(2) 排出量2位の中国や5位のインドなどが、途上国として削減義務を免除されていること。
(3) 「排出権取引」が認められたが、そのガイドラインが定まっていないこと。
(4) 途上国の自主的な参加については、途上国の反対で最後の段階で条文が削除されてしまったこと。


 こういったことは、ポスト京都議定書の問題として、これから詳細が詰められていくものと考えられます。新たな議定書のための会議は、今年から始まります。

(3) 具体的な対策

 多くの削減をせまられている日本は、どういった対策を採るのでしょうか。ここでは、対策を予算という切り口から検証してみましょう。
 平成16年度地球温暖化対策推進大綱関係予算は、全省庁合わせて1兆2586億円です。その内訳を見ると、(1)省エネルギー対策に全体予算の3割弱、(2)環境負荷の小さい交通体系の構築(新幹線など)に1割、(3)原子力の推進に2割、(4)森林・林業対策(治山事業など)の対策に3割程度の予算が振り分けられています。予算の振り分けがすべてを表しているとは言いがたいですが、重点は上記のものに置かれている、ということがわかります。
 まず隗(かい)より始めよ、という言葉通り、グリーン庁舎(環境配慮型官庁施設)の整備等の推進費や、政府による低公害車導入経費なども計上されています。また、新エネルギー(太陽光、バイオマス、燃料電池など)の開発・促進のための費用に加え、さらなる革新的エネルギーの研究開発の強化のため、400億円弱(上記予算の3%程度)が投資されています。予算という一側面からみても、地球温暖化防止のためには、あらゆる面から総合的に改善・改革していくことが必要だということがわかります。

 それでは、以上の点を踏まえて、地方レベルではどのようなことができるかを考えてみましょう。例えば2005年4月1日より、「京都市地球温暖化防止条例」が施行されました。条例には、市・事業者・市民・観光旅行者など、個別の立場からの責務を明らかにし、温暖化対策を総合的・計画的に推進する、とうたわれています。特に、私達市民の努力目標として以下のものが挙げられます。

14条:省エネ型電気製品、ガス器具等の優先的使用、適切な使用
16条:公共交通機関、自転車の利用
17条:アイドリング・ストップ


 京都議定書が発効し、何か生活の中で変わったことがありましたか。「今までと同じだ」「勝手に変化するものだろう」と考えている方は、ぜひ、もう一度考えてみてください。
 変わるべくして変わる、私達の生活。日々の暮らしの中でできる省エネ*、まず一歩、踏み出してみませんか。
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参考:
環境省HP:http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=5671
京都市HP:http://www.city.kyoto.jp/kankyo/ge/zyourei/tyuukei.htm
全国地球温暖化防止活動推進センターHP:http://www.jccca.org/
朝日新聞(2005年2月16日)


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